ネックレスの紐の結び方で、ほどけない方法をお探しではありませんか。せっかく手に入れたペンダントトップや、心を込めて手作りしたアクセサリーも、結び方が緩くてはすぐにほどけてしまいます。
特に、革紐やスエード紐を使ったおしゃれなデザイン、あるいは伝統的なとんぼ玉ネックレスや勾玉ネックレスは、紐の処理が全体の印象を左右します。
この記事では、ネックレスの紐の結び方でほどけない基本のテクニックから、簡単に長さ調節ができる応用技まで、プロの視点から分かりやすく解説します。素材選びのコツも併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ネックレスの紐の結び方 ほどけない基本
ネックレスの紐がほどけないためには、まず基本となる結び方をマスターすることが大切です。
ここでは、結び目が小さく丈夫な「はた結び」や、留め具がなくても固定できる「とめ結び」そしてデザインの要となるペンダントトップやビーズに合わせた結び方をご紹介します。
- ほどけにくい「はた結び」
- 留め具不要の「とめ結び」
- ペンダントトップに合わせた結び方
- とんぼ玉ネックレスにおすすめの紐
- 勾玉ネックレスの結び方(つゆ結び)
ほどけにくい「はた結び」
「はた結び」は、結び目が小さく、非常にほどけにくいことが特徴の結び方です。漢字では「機結び」とも書き、その名の通り、織機の糸やミシンの糸を交換する際など、細い糸同士を強固につなぐためにプロの現場でも使われています。
この結び方は、アクセサリー作りのように、結び目をできるだけ目立たせたくない場合に最適です。
手順は以下の通りです。
-
2本の紐(AとB)の端を交差させます(Aが上)。
-
下にある紐Bを、Aに巻き付けるようにして輪を作ります。
-
上にある紐Aの先端を、Bで作った輪の中に通します。
-
両方の紐の先端をゆっくりと引き締め、結び目の形を整えたら完成です。
初めは少し難しく感じるかもしれませんが、慣れると素早く結べるようになります。編み物の毛糸をつなぐ際にも応用できるため、覚えておくと便利な結び方です。
留め具不要の「とめ結び」
「とめ結び」は、その名の通り、紐の端を固定するために使う結び方です。留め金具(クラスプやマンテルなど)を使わずに、ネックレスの輪を完成させたい場合に役立ちます。
最も簡単な方法は、紐の端と端を固く結ぶ「本結び」ですが、ナイロンやポリエステルのように滑りやすい素材では、ほどけやすいという欠点があります。
そこで、より強度を高める方法として、ビーズアクセサリーなどで使われる「テグス結び」を応用した固定方法がおすすめです。
-
紐の片方の端(A)で輪を作ります。
-
もう片方の端(B)を、Aで作った輪に通します。
-
そのままBの先端を、輪に対してもう一度(合計2回)巻きつけるように通します。
-
両端をゆっくりと、しかし強く引き締めて固定します。
この「2回巻きつける」工程により、結び目の摩擦が大きくなり、ほどけにくさが格段に向上します。結び目をビーズの穴の中に隠すことで、仕上がりも美しくなります。
ペンダントトップに合わせた結び方
ペンダントトップのデザインを最大限に活かすには、紐の結び方や素材選びが鍵となります。トップの大きさ、形状、そして色味に合わせて、最適なバランスを考えることが大切です。
例えば、大ぶりで重量のあるペンダントトップには、ある程度の太さがある革紐やワックスコードを選び、結び目もしっかりと固定できる方法(前述のはた結びや、後述する長さ調節結びなど)が適しています。
逆に、繊細なデザインのトップや、穴が小さいものには、細めのシルクコードやナイロンコードが似合います。
また、紐の色選びも重要です。トップの色味と同系色でまとめると統一感が出ますし、あえて対照的な色を選ぶと、トップの存在感が際立ちます。レザーやコットン、シルクなど、質感の異なる紐を試すことで、オリジナリティのあるネックレスに仕上げることができます。
とんぼ玉ネックレスにおすすめの紐
とんぼ玉は、その美しい色彩とガラスの質感が魅力のビーズです。和装にも洋装にも合わせやすいため、ネックレスの素材としても人気があります。
このとんぼ玉の魅力を引き立てるためには、紐の素材選びがポイントです。おすすめは、シルク(絹)やレーヨンなどで作られた、光沢のある紐(シルクコードや組紐)です。紐自体が上品な光沢を持つため、とんぼ玉のガラスの輝きと調和し、高級感のある仕上がりになります。
結び方はシンプルが一番です。とんぼ玉の穴に紐を通し、両端を結ぶだけで完成します。結び目は、とんぼ玉のすぐ近く(両脇)に寄せることで、トップが固定され、すっきりとした印象になります。
複数のとんぼ玉や他のビーズと組み合わせる場合は、ビーズとビーズの間に「つゆ結び」(後述)などで小さな結び目を作ると、ビーズが動かずデザインが安定します。
勾玉ネックレスの結び方(つゆ結び)
勾玉(まがたま)は、古くから魔除けや幸運のお守りとして大切にされてきたモチーフです。この勾玉を使ってネックレスを作る際には、「つゆ結び(スネークノット)」と呼ばれる飾り結びがよく用いられます。
つゆ結びは、連続して結ぶことで蛇腹のように見えることからスネークノットとも呼ばれ、結び目自体に装飾性があるのが特徴です。
ここでは、2本の紐を使って勾玉を固定する「つゆ結び」の基本的な手順を紹介します。
-
まず、2本に折った紐の中心に勾玉を通し、セロハンテープなどで作業台に固定します。
-
勾玉のすぐ下で、2本の紐(左紐、右紐)を揃えます。
-
左紐を、右紐の上を通って「の」の字を描くように丸めます。
-
右紐を、3で作った左紐の輪の上を通り、さらに左紐の先端の下をくぐらせます。
-
最後に、右紐の先端を、3で作った「の」の字の輪(穴)に、下から上へ通します。
-
両方の紐の先端をゆっくりと均等に引き締め、結び目を作ります。
この結びを繰り返すことで、装飾的な編み目が連なっていきます。勾玉の両脇にビーズを配置し、その外側をつゆ結びで固定するなど、アレンジも自在です。
ネックレス紐の結び方 ほどけない長さ調節
ネックレスの長さを自由に調節できる結び方は、服装やTPOに合わせてスタイリングを変えられるため、非常に便利です。
ここでは、細いコードから革紐、スエード紐まで、素材の特性に合わせた長さ調節可能な結び方と、金属アレルギーの方にも配慮した素材選びについて解説します。
- 細いコードで長さ調節する結び方
- ワックスコードでの作り方
- 革紐を使った長さ調節の結び方
- スエード紐で簡単!長さ調節
- 革紐のおしゃれな結び方アレンジ
- 金属アレルギー向けの紐素材
- ネックレス紐の結び方 ほどけないコツ
- ネックレス紐の結び方 ほどけない基本と調整術の総まとめ
細いコードで長さ調節する結び方
ポリエステルやナイロン製の細いコードは、滑りやすく、通常の結び方ではほどけやすいのが難点です。しかし、この滑りやすさを逆手に取ることで、スムーズにスライドする長さ調節機能を持たせることができます。
ポイントは「2回以上巻いて結ぶ」ことです。この結び方は、2つの結び目がスライドする構造を作ります。
-
ネックレスの紐(1本)の両端を、ペンダントトップを挟んで交差させます。
-
片方の端(A)を持ち、もう一方の紐(B)本体に、Aを2回巻き付けます。
-
2回巻いてできた2つの輪の中に、Aの先端を通します。
-
Aをゆっくりと引き締め、紐B本体の上をスライドできる結び目を作ります。
-
もう片方の端(B)も同様に、紐A本体に2回巻き付け、できた輪にBの先端を通して結び目を作ります。
これで、2つの結び目を互いに引っ張ったり離したりすることで、ネックレス全体の輪の大きさを自由に調節できるようになります。結び目を締める際、きつく締めすぎるとスライドしにくくなるため、適度な力加減が求められます。
ワックスコードでの作り方
ワックスコードは、コットンの紐にロウ引き加工(ワックスを染み込ませる加工)を施した素材です。ロウ引きされているため紐の耐久性が高く、結び目が緩みにくいという大きなメリットがあります。
このワックスコードを使った長さ調節可能なネックレスの作り方として、最もシンプルな方法は前述の「2回巻き」ですが、さらに簡単な方法もあります。
-
ワックスコードを必要な長さ(例:1m)にカットし、半分に折ります。
-
折り目(輪になった部分)にペンダントトップを通します。
-
トップを通したら、コードの折り目から10cmほどの位置(トップのすぐ上)で、2本まとめて「ひと結び」します。
-
残った2本の紐の端で、前述の「2回巻き」の長さ調節結びを作ります。
ワックスコードはカラーバリエーションも豊富なため、ペンダントトップの色に合わせて選ぶ楽しみもあります。
革紐を使った長さ調節の結び方
革紐(レザーコード)は、シルバーアクセサリーや天然石との相性が抜群で、カジュアルからエスニックまで幅広く使える素材です。
革紐で長さ調節する際も、基本的には「細いコードで長さ調節する結び方」で紹介した「2回巻き」の方法が最も確実で、見た目もきれいに仕上がります。
革紐の場合、1回巻きの結び方でも調節は可能ですが、スライドさせているうちに結び目が硬く締まりすぎてしまい、動かしにくくなることがあります。
その点、2回巻きにしておくと、結び目に適度な厚みと摩擦が生まれ、きつく締まりすぎるのを防ぎながらも、ほどよく固定されるため、ストレスフリーな長さ調節が可能になります。結ぶ際は、革紐がねじれないよう、形を整えながら平行に輪を作るように締め込むのがコツです。
スエード紐で簡単!長さ調節
スエード紐(スエード調コード)は、革紐の裏側(床面)のような、起毛した柔らかな質感が特徴です。
この素材の最大のメリットは、表面の摩擦が非常に大きいことです。そのため、細いコードや革紐のように滑ることが少なく、非常にシンプルな結び方でも長さ調節が可能です。
-
紐の両端を交差させます。
-
片方の端(A)を、もう一方の紐(B)本体に「ひと結び(1回だけ巻いて通す)」します。
-
もう片方の端(B)も同様に、紐A本体に「ひと結び」します。
スエード紐は太さがあるため、これだけのシンプルな結び方でも、結び目が滑って動いてしまうことはありません。結び目の位置を指でずらすだけで、簡単に長さを変えることができます。ただし、強く結びすぎると動かなくなるため、スライドできる程度の力加減で結ぶのがポイントです。
革紐のおしゃれな結び方アレンジ
革紐は、結び方次第でネックレスの装飾の一部として機能させることができます。長さ調節の機能を持たせるだけでなく、デザイン性を高めるアレンジも豊富です。
例えば、ペンダントトップの上部で、意図的に結び目を大きく見せる方法があります。
-
引き抜き結び: 片方の端で大きな輪を作り、もう片方の端をその輪に通して引き抜くだけのシンプルな結び方ですが、結び目がアクセントになります。
-
巻き結び: 両端を結んだ後、余った紐の端を、結び目の周りにくるくると巻き付けて固定する方法です。ボリューム感が出て、エスニックな雰囲気になります。
また、前述の「つゆ結び」を革紐で数回繰り返すだけでも、重厚感のあるデザインポイントを作ることができます。
金属アレルギー向けの紐素材
ネックレスのチェーンでかゆみや赤みが出てしまう金属アレルギーの方にとって、紐(コード)タイプのネックレスは非常に有効な選択肢です。
金属を一切使用しない素材としては、以下のようなものが挙げられます。
-
コットン紐(ワックスコード含む): 肌触りが優しく、汗をかいてもべたつきにくいのが特徴です。
-
ナイロン紐(ポリエステルコード): 丈夫で耐久性に優れており、水にも強いため、長く愛用できます。
-
革紐(レザーコード): 天然素材の風合いが魅力です。ただし、なめし加工の薬品に反応する可能性もゼロではないため、敏感な方は注意が必要です。
-
スエード紐: 柔らかな肌触りが特徴です。
-
シルクコード: 上品な光沢があり、肌当たりも非常に優しい素材です。
これらの素材を使い、結び方だけでネックレスを完結させれば、金属に触れることなくアクセサリーを楽しむことができます。
ネックレス紐の結び方 ほどけないコツ
ネックレスの紐がほどけないようにするためには、結び方そのものに加えて、いくつかの小さなコツを実践することが有効です。
まず、どのような結び方でも、最後に引き締める際は、結び目の形を整えながら、ゆっくりと均等に力を加えることが大切です。
素材ごとのコツもあります。
-
革紐: 端が硬くて結びにくい場合は、先端を斜めにカットすると、輪に通しやすくなります。
-
化学繊維の紐(ナイロンなど): 結んだ後の余った端を2mmほど残してカットし、その先端をライターの火で軽く炙って溶かすと、ほつれ防止と同時に結び目がほどけるのを防げます(火傷に十分注意してください)。
-
全ての紐: 結び目がどうしても緩んでしまう場合、最終手段として、結び目自体に透明なマニキュア(トップコート)や手芸用接着剤を少量塗って固定する方法があります。ただし、これを行うと結び目をほどくことはできなくなるため、長さ調節が不要な固定結びのみに適用してください。
ネックレス紐の結び方 ほどけない基本と調整術の総まとめ
- はた結びは結び目が小さく強固でほどけにくい
- とめ結びは留め具を使わずに紐の輪を作る際に役立つ
- ペンダントトップの重さや穴の大きさに合わせて結び方を選ぶ
- とんぼ玉ネックレスには光沢のあるシルクコードが調和する
- 勾玉ネックレスには装飾的な「つゆ結び」がよく用いられる
- 細いコードの長さ調節は2回巻きにすると滑りにくい
- 長さ調節の結び目はきつく締めすぎないのがコツ
- ワックスコードはロウ引き加工で結び目が緩みにくい
- 革紐の長さ調節も2回巻きがスムーズなスライドに有効
- スエード紐は摩擦が大きいため簡単なひと結びで調節できる
- 革紐は「巻き結び」などで結び目自体をおしゃれに見せられる
- 金属アレルギーの方はコットンやナイロン素材の紐が推奨される
- 革紐の端は斜めにカットすると穴に通しやすくなる
- 化学繊維の紐の端はライターで軽く炙るとほつれを防げる
- 結び目をマニキュアで固定するとほどけにくさが向上する

