結婚式にお呼ばれした際のアクセサリー選び、特に「結婚式で揺れるピアスをつけても良いのか」と悩んだ経験はありませんか。
昔からのマナー本にはダメな理由が書かれていることもあり、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、現代の結婚式におけるマナーは変化しており、揺れるデザインを一概に避ける必要はなくなりました。
この記事では、お呼ばれで大ぶりのピアスやパール以外のアクセサリーを選ぶ際のポイントから、失敗や後悔をしないための最新マナーまでを網羅的に解説します。
お呼ばれにふさわしいピアスのおすすめデザインや、人気のイヤリングについても触れていきますので、ぜひ参考にして素敵なお祝いの席に臨んでください。
結婚式で揺れるピアスはマナー違反?

※画像はイメージです
この章では、結婚式で揺れるピアスがマナー違反にあたるのか、その歴史的背景と現代の考え方について解説します。
- 昔のマナーでダメな理由とは?
- 最新の結婚式ピアス基本マナー
- お呼ばれで大ぶりのものはOK?
- 定番のパールで揺れるデザイン
- パール以外の選択肢と注意点
- 避けるべきカジュアルな素材
昔のマナーでダメな理由とは?
かつて結婚式で揺れるピアスが避けられていたのは、主に「忌み言葉」の考え方に由来します。
その理由は、「揺れる」という言葉が「家庭が揺らぐ」「不安定になる」といった不吉な事柄を連想させるため、お祝いの席にはふさわしくないと考えられていたからです。これは、結婚式のスピーチで「切れる」や「別れる」といった言葉を使わないのと同様の、日本独自の風習に基づく配慮でした。
例えば、古いマナーブックなどには、今でも「揺れるアクセサリーは縁起が悪い」といった記述が見られることがあります。
しかし、これはあくまで昔ながらの考え方であり、現代の結婚式では、このような言葉の連想を気にする方は非常に少なくなっています。言ってしまえば、アクセサリーのデザインが持つファッション性を重視する傾向が強まった結果、このマナーは過去のものとなりつつあるのです。
このように考えると、揺れるピアスがダメな理由とされていたのは、デザインそのものの問題ではなく、言葉が持つイメージへの配慮だったことが分かります。
最新の結婚式ピアス基本マナー
現代の結婚式におけるピアスのマナーは、忌み言葉のような古い慣習よりも、主役である花嫁への配慮と、フォーマルな場にふさわしい品格が重視されます。
なぜなら、結婚式は新郎新婦を祝福するための神聖な儀式であり、ゲストはその場に華を添える役割を担っているからです。そのため、自分本位なファッションではなく、全体の調和を考えた装いが求められます。
具体的には、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。
花嫁より目立たないこと
結婚式の主役は、言うまでもなく花嫁です。ゲストのアクセサリーが花嫁のウェディングドレスやジュエリーよりも目立ってしまうのは、最も避けたいマナー違反と考えられます。
特に、生花をモチーフにしたデザインや、ティアラと見間違うような大ぶりのヘッドアクセサリーは花嫁の特権とされるため、ゲストは着用を控えるべきです。
白いアクセサリーはパールのみ
ドレスと同様に、アクセサリーにおいても「白」は花嫁を象徴する特別な色です。したがって、ゲストが白いアクセサリーを身に着けることは基本的に避けるのが礼儀とされます。
ただし、唯一の例外がパールです。上品な輝きを持つパールは、昼夜を問わずフォーマルな場にふさわしいとされており、結婚式で着用することが広く認められています。
カジュアルすぎる素材を避けること
結婚式はフォーマルな場であるため、普段使いのようなカジュアルな素材のピアスはふさわしくありません。プラスチックや布、ビーズ、ウッド素材のものは避けましょう。また、革製品やアニマル柄のデザインは、動物の殺生を連想させるため、お祝いの席ではマナー違反とされています。
これらの点を踏まえると、最新のマナーとは、周囲への配慮とTPOをわきまえた品格のあるアクセサリー選びが鍵となることが理解できます。
お呼ばれで大ぶりのものはOK?
お呼ばれの席で大ぶりのピアスやイヤリングを着用することは、現代の結婚式では問題ないとされています。
その理由は、近年のウェディングスタイルが多様化し、以前よりもファッションの自由度が高まっているためです。ネックレスをせずに耳元にアクセントを置くコーディネートも人気があり、大ぶりのアクセサリーが全体のバランスを良く見せてくれる場合もあります。
例えば、装飾の少ないシンプルなデザインのドレスに、少し大きめのビジューイヤリングを合わせると、顔周りが華やかになり、洗練された印象を与えます。逆に、デザイン性の高い華やかなドレスの場合は、アクセサリーを控えめにしないと、過剰な印象になってしまうでしょう。
ただし、注意点も存在します。一つは、会場の格式です。由緒あるホテルや厳格な教会での式典では、あまりに奇抜で大きなデザインは浮いてしまう可能性があります。もう一つは、他のゲスト、特に親族や年配の方々の視点です。控えめな装いを好む方が多い場では、上品なデザインを選ぶ方が無難と言えます。
以上のことから、大ぶりのピアスを選ぶ際は、ドレスとのバランスや会場の雰囲気を考慮することが大切です。
定番のパールで揺れるデザイン
結婚式のアクセサリーとして最も定番で安心感があるのは、やはりパールです。中でも、パールを使った揺れるデザインのピアスは、上品さと華やかさを両立できるため、非常におすすめです。
なぜなら、パールの持つ柔らかな光沢は、フォーマルな場にふさわしい品格を与えてくれるからです。揺れるデザインであっても、パールが主役であれば派手になりすぎず、清楚な印象を保つことができます。
具体的には、一粒のパールがチェーンの先で優雅に揺れるタイプや、大きさの異なるパールが連なって動きを出すデザインなどが人気です。これらのデザインは、アップにしたヘアスタイルとの相性が特に良く、首筋を美しく見せる効果も期待できます。
また、パールのアクセサリーは、昼間の結婚式でも夜の披露宴でも、時間帯を問わずに着用できるという大きなメリットがあります。光りすぎることがないため、写真撮影の際に光が反射してしまう心配もありません。
このように考えると、どのピアスにしようか迷った際には、パールがあしらわれた揺れるデザインを選べば、まず失敗することはないでしょう。
パール以外の選択肢と注意点
結婚式では、パールのピアスが定番ですが、もちろんそれ以外の選択肢も豊富にあります。ドレスの色やなりたい雰囲気に合わせて、パール以外の素材を選ぶのも素敵です。
主な選択肢としては、ダイヤモンドやキュービックジルコニアのような輝きの強い宝石、またはサンゴやトパーズ、アメシストといった色味のある天然石が挙げられます。ゴールドやプラチナといった地金そのものの美しさを活かしたデザインも良いでしょう。
一方で、パール以外のアクセサリーを選ぶ際には、結婚式の時間帯に注意を払う必要があります。
昼間の結婚式
昼間の式では、光を強く反射するキラキラとしたアクセサリーは避けるのがマナーとされています。これは、太陽光や写真のフラッシュで輝きすぎてしまい、悪目立ちする可能性があるためです。もし宝石を選ぶのであれば、サンゴやヒスイ、トルコ石など、輝きが控えめな天然石がおすすめです。
夜の結婚式や披露宴
夜のパーティーでは、照明の下で美しく輝くアクセサリーが好まれます。ダイヤモンドやジルコニア、スワロフスキーなど、華やかな輝きを放つピアスが顔周りを明るく彩ってくれるでしょう。ゴールドやプラチナといった素材も、夜の席にふさわしい豪華さを演出します。
なお、注意点として、オニキスやブラックダイヤモンドのような黒い宝石は、弔事を連想させる可能性があるため、避けた方が無難です。これらの点を踏まえて、時間帯とデザインを考慮すれば、パール以外のピアスも素敵な選択肢となります。
避けるべきカジュアルな素材
前述の通り、結婚式はフォーマルな祝典であるため、普段使いを思わせるカジュアルな素材のピアスは着用を避けるべきです。
その理由は、カジュアルな素材は、どうしても安価な印象や「普段着感」を与えてしまい、お祝いの場に求められる格式や礼儀にそぐわないからです。ゲストは、新郎新婦への敬意を示す意味でも、服装やアクセサリーに気を配る必要があります。
具体的に避けるべき素材の例を挙げます。
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プラスチック製のもの: 色や形が豊富ですが、フォーマルな場には不向きです。
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布・毛糸・革製品: 温かみのある素材ですが、カジュアルな印象が強く、また革は殺生を連想させます。
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ビーズやウッド素材: ナチュラルで可愛らしい印象ですが、結婚式のドレスコードには合いません。
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アニマル柄: こちらも殺生を連想させるため、お祝いの席ではタブーとされています。
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キャラクターデザインのもの: 言うまでもなく、フォーマルな場には全くふさわしくありません。
これらの素材は、たとえ友人中心のカジュアルなパーティーであっても、避けるのが賢明です。アクセサリーを選ぶ際は、デザインだけでなく、その素材が持つ「格」も意識することが、大人のマナーと言えるでしょう。
お呼ばれの結婚式で揺れるピアスの選び方

※画像はイメージです
ここでは、実際に結婚式にお呼ばれされた際に、揺れるピアスをどのように選べば良いか、具体的なポイントを解説します。
- 昼と夜で異なるアクセサリー選び
- お呼ばれピアスのおすすめデザイン
- お呼ばれイヤリングで人気の形
- 花嫁より目立たないための配慮
- 結婚式で揺れるピアス選びの総括
昼と夜で異なるアクセサリー選び
アクセサリーのマナーは、結婚式が行われる時間帯によって変わるため、招待状で開催時間を確認することが最初のステップです。
なぜならば、昼と夜では光の環境が大きく異なり、それに合わせてふさわしいとされるアクセサリーの輝きや素材が変わるからです。昼は自然光の下での上品さを、夜は照明の下での華やかさを意識するのが基本となります。
昼と夜のアクセサリー選びのポイントを、以下の表にまとめました。
このように、昼間は光を吸収するようなしっとりとした輝きのものを、夜は光を反射してきらめく華やかなものを選ぶのがセオリーです。揺れるピアスを選ぶ際も、この原則を念頭に置き、昼なら小ぶりで上品なパール、夜なら輝くストーンがあしらわれたデザインなどを選ぶと良いでしょう。
お呼ばれピアスのおすすめデザイン
お呼ばれにふさわしいピアスを選ぶ際は、ドレスやヘアスタイルとのバランスを考えた、トータルコーディネートが鍵となります。
全体の調和が取れていることで、洗練された印象を与えることができるからです。ピアスだけが浮いてしまわないよう、客観的な視点で選ぶことが求められます。
ヘアスタイルとのバランス
髪型とピアスの相性は非常に大切です。 例えば、髪をまとめたアップスタイルやショートヘアの場合、耳元がすっきりと見えるため、少し長めの揺れるピアスや、存在感のあるデザインがよく映えます。顔周りに動きが出て、華やかな印象になります。
一方、髪を下ろしたダウンスタイルの場合は、髪に隠れてしまわないよう、耳たぶにフィットするスタッドタイプのピアスや、揺れる部分が短めのデザインがおすすめです。
ドレスとのバランス
ドレスのデザインとの相性も考慮しましょう。 ネックラインが詰まっているデザインや、胸元に装飾が多いドレスの場合は、ネックレスをせずにピアスをコーディネートの主役にすると、すっきりとおしゃれに見えます。
この場合、少し大ぶりの揺れるピアスを選ぶとバランスが取りやすいです。 逆に、デコルテが大きく開いたドレスで華やかなネックレスを着ける場合は、ピアスは小ぶりでシンプルなものを選び、引き算のコーディネートを心がけると上品にまとまります。
このように、ピアス単体で考えるのではなく、全体のスタイリングの一部としてデザインを選ぶことが、おしゃれに見せるためのコツです。
お呼ばれイヤリングで人気の形
ピアスホールが開いていない方や、ピアスの重みが気になる方にとって、イヤリングは心強い味方です。お呼ばれの席で人気のイヤリングは、デザイン性に加え、長時間の着用でも快適な機能性を備えたものが選ばれる傾向にあります。
その理由は、結婚式から二次会まで参加すると、半日以上アクセサリーを身に着けていることになるため、痛みや不快感は避けたいと考える方が多いからです。
現在、特に人気があるのは以下のようなタイプです。
クリップ式イヤリング
耳たぶを挟むだけで装着できる手軽さが魅力です。最近では、耳たぶに当たる部分にシリコン製のカバーが付いているものが多く、滑り止め効果と痛みの軽減を両立しています。デザインのバリエーションも豊富で、大ぶりのものから繊細なものまで選べます。
ネジバネ式イヤリング
ネジで挟む強さを微調整できるため、自分の耳たぶの厚さにぴったり合わせられるのが最大のメリットです。しっかりと固定できるので、少し重さのあるデザインでも安心して着用できます。こちらもシリコンカバー付きのものを選ぶと、さらに快適性が増します。
ノンホールピアス(樹脂イヤリング)
まるでピアスを着けているように見える、透明な樹脂で作られたイヤリングです。金属アレルギーの方でも安心して使える点が大きな魅力と言えます。非常に軽く、耳への負担が少ないため、イヤリングが苦手な方にも試す価値があるでしょう。
これらのイヤリングは、機能性だけでなくデザインも洗練されており、結婚式のお呼ばれにふさわしい華やかなものが数多くあります。
花嫁より目立たないための配慮
繰り返しますが、結婚式におけるゲストの装いで最も大切なのは、主役である花嫁を引き立てるという配慮です。アクセサリー選びにおいても、この原則を常に心に留めておく必要があります。
なぜなら、お祝いの気持ちを表すためのファッションが、意図せず主役の輝きを損なってしまっては本末転倒だからです。ゲストは、あくまで名脇役としての立ち居振る舞いが求められます。
具体的には、以下の点に注意すると良いでしょう。
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過度にキラキラしない: 前述の通り、特に昼間の式では、花嫁の純白のドレスやベール以上に輝くアクセサリーは控えます。ダイヤモンドがふんだんに使われたものや、大きなビジューが連なったデザインは避けましょう。
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「花嫁の特権」とされるモチーフを避ける: 生花やティアラ風のデザインは、花嫁のための特別なアイテムです。ゲストがこれらを模したアクセサリーを着けるのはマナー違反と見なされます。
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全身白のコーディネートを避ける: ドレスだけでなく、羽織物、バッグ、靴、そしてアクセサリーまで白で統一するのは絶対に避けましょう。白いアクセサリーを着けるなら、パールのみに限定し、ドレスは他の色を選ぶのが鉄則です。
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ボリューム感を考慮する: 大ぶりのアクセサリー自体は問題ありませんが、髪型からドレス、小物まで全てが派手だと、花嫁より目立ってしまう可能性があります。どこかに「引き算」を取り入れ、全体のバランスを見ることが大切です。
これらの配慮は、新郎新婦やそのご親族への敬意の表れでもあります。節度を守りつつ、お祝いの気持ちを表現できるようなアクセサリー選びを心がけましょう。
結婚式で揺れるピアス選びの総括
この記事で解説してきた、結婚式における揺れるピアスのマナーと選び方の要点を以下にまとめます。
- 現代のマナーでは結婚式で揺れるピアスを着用しても問題ない
- かつては「家庭が揺れる」という忌み言葉からNGとされていた
- マナーは時代と共に変化する教養として捉えるのが賢明
- 結婚式の主役は花嫁であり、それより目立つデザインは避ける
- 白いアクセサリーは花嫁の色だが、パールは例外的に着用できる
- プラスチックや布、革などカジュアルすぎる素材はマナー違反
- アニマル柄は殺生を連想させるためお祝いの席では避ける
- 大ぶりのデザインも全体のバランスが取れていれば着用可能
- 昼間の結婚式では輝きの強いダイヤモンドやビジューは控える
- 夜の披露宴では照明に映える華やかな輝きのものが好まれる
- パール以外の天然石やゴールド素材も選択肢として考えられる
- ドレスや髪型とのトータルコーディネートを意識することが大切
- アップヘアには揺れるデザイン、ダウンスタイルには小ぶりなものが似合う
- 会場の格式や他のゲストの年齢層もアクセサリー選びの判断材料になる
- もし選択に迷ったら上品な一粒パールのデザインが最もフォーマルで安心